今日、「通貨」と呼ばれるものには、「現金」と「銀行預金」がある。「銀行預金」が「通貨」に含まれるのは、我々が給料の支払いや納税などのために銀行預金を利用するなど、日常生活において、事実上「通貨」として使っているからである。ちなみに、「通貨」のうち、そのほとんどを預金通貨が占めており、現金通貨が占める割合は、ごくわずかである。 MMTの基本は単なる「事実」! 問題は、通貨のほとんどを占める「銀行預金」と貸出しとの関係である。 通俗的な見方によれば、銀行は、預金を集めて、それを貸し出しているものと思われている。主流派経済学もまた、そのような見解に立っている。しかし、これは銀行実務の実態とは異なっているのである。 実際には、銀行の預金が貸し出されているのではなく、その反対に、銀行が貸出しを行うことによって預金が生まれているのである。これを「信用創造」と言う。例えば、A銀行がα企業に1千万円を貸し
![特別寄稿 中野剛志 消費増税も量的緩和も愚の骨頂!](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/033e4c93684f088831762fbf1781dbe4dfa039df/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffacta.co.jp%2Farticle%2Fimages%2F201908%2F201908_032_1.jpg)