めざせ イグ・ノーベル賞 傾向と対策 [著]久我羅内[掲載]週刊朝日2008年10月24日号[評者]永江朗■裏ノーベル賞は日本人多数 10月2日、アメリカのハーバード大学でイグ・ノーベル賞の授賞式がおこなわれた。今年は粘菌が意外と賢いこと(脳がないのに)を解明した中垣俊之・北海道大学准教授らが認知科学賞を受賞した。粘菌は迷路を最短距離で動けるらしい。昨年は山本麻由さんが化学賞を受賞していて、日本人は2年連続だという。 このイグ・ノーベル賞、「裏ノーベル賞」などと呼ばれることもあるが、いったいどんな賞なのか。久我羅内(くが・らない)『めざせ イグ・ノーベル賞』では、副題通り「傾向と対策」が解説されている。 同賞は1991年、科学雑誌編集者のマーク・エイブラハムズ氏が創設した。「世間を笑わせ、考えさせた」業績に贈られる。ただ笑わせるだけではダメ、というのがポイント。ノーベル賞のパロディ版ともい