そこに生きている人のテンションが少しでもあがる街。水戸市役所職員でコミケでまちおこし・みと実行委員会事務局長の須藤文彦さん(39)は、そんな街をずっと思い描いてきた。仲間らと知恵を寄せ合った末に一念発起。東京ビッグサイトで年2回開かれている世界最大の同人誌即売会を、水戸に誘致した。真意はただ一つ、水戸に「盛り場」を取り戻すことだ。 小学生の頃、祖父に連れられ水戸の中心地に遊びに行くと、東京へ行くのと同じくらいわくわくした。欲しいおもちゃがないと見つかるまで5軒も6軒もおもちゃ屋さんを回った。しかし、今は歩けばシャッター通り。人通りもまばらで、至る所に借り主募集の張り紙がある。水戸の顔と言われるメーン通りに明かりはみえない。 「コミケみたいな刺激的な力を使わないと街を再生できないんじゃないかな」。2008年、須藤さんが立ち上げていた市職員有志の勉強会「水戸市政策研究会」で、メンバーの一人