私は表現の自由のために闘っていて、妥協も交渉もしないんです。 アーティスト、建築家、活動家 艾未未(アイ・ウェイウェイ) 国際展で話題作を続々と発表し、北京五輪では「鳥の巣」の設計を手がけ、一方で五輪を痛烈に批判し、政府にブログを閉鎖される……。建築家、活動家としての顔も持つアーティストが、森美術館での個展のために来日した。中国現代アートの牽引者に聞く、アート観、国家観、そして人生観。 聞き手:編集部 ——艾さんは若いころ、ヴァン・ゴッホ、ドガ、マネに関する本と、ジャスパー・ジョーンズの本をもらったそうですね。北京のアート仲間と共有したけれど、ジョーンズの本は捨ててしまった。でも今回の個展名は『何に因って?』。ジョーンズの作品名です。 本をもらったのは1970年代後半で、あの時代の中国には洋書なんかなかったから、非常に貴重なものでした。だけど、誰もジャスパー・ジョーンズの作品を理解できなか