中国の温家宝首相は21日、宮城県女川町で中国人実習生20人を避難させた後、津波に巻き込まれて犠牲となった水産加工会社「佐藤水産」専務、佐藤充さん(55)について「国籍にかかわらずに救助した。そうした行為を高く評価している」と述べ、謝意を表明した。視察先の名取市で記者団に話した。 「救出劇」は中国や香港などで大きく報道されており、温首相も注視していたことを明らかにした。「災難の中で得た友情はとても大切で貴重。中日関係のさらなる改善を願う」と話した。 震災の日、佐藤さんは工場の寮にいた中国人実習生を近くの高台に逃がした。その後、佐藤さんは行方不明となり、遺体で見つかった。女川町には十数の水産加工会社に計約160人の中国人がいたが、全員無事だった。「また日本に」帰国の中国実習生、涙の別れ