少子高齢化というと、労働力が不足する、年金が破綻する、財政が破綻する、日本経済が人口減少で衰退していく、といった悪い印象が強いのですが、筆者は全く逆に「少子高齢化による労働力不足で日本経済の黄金時代が来る」と考えています。今回は、今後10年程度の日本経済について、考えてみましょう。 ■バブル崩壊後の諸問題の根源は失業問題だった バブル期までは、日本人が勤勉に働いて倹約に努めたため、多くの物が生産され、多くの物が残り、おかげで工場やオフィスビルなどを建てる事ができました。しかし、バブル崩壊後、工場やオフィスビルなどの需要が落ち込むと、物が余るようになりました。 余った物を輸出すると貿易摩擦が激化するほか、円高ドル安を招くので、際限なく輸出を増やすわけにも行きません。そこで企業は生産を絞り、失業者が増えました。失業者が不幸であったのは当然ですが、それ以外にも失業は多くの問題を引き起こしました。
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