一般家庭ではまったく無縁でも、スピーカーとして「大音響再生」を必要とする用途があります。現在のような小型携帯無線機がない時代には、航空母艦から飛び立つ飛行機のプロペラ音の大騒音下で、発信を整備員に指示する情報伝達用として大音響PAスピーカーが使用されていました。 近年では、宇宙空間へ飛んでいく人工衛星のロケットの発射音のシミュレーション音声を作るためのスピーカーなどもあります。再生能力は音圧にして160dB/mで、音響出力で10,000Wクラスの大音量再生用です。 人工衛星に搭載する各種の電子機器や制御機器は、発射から大気圏内(音の伝搬する時間的範囲)ではロケットエンジンの大音量にさらされて、大きく振動したり共振したりして破損や断線が生じ、故障の原因になることがあるため、これを地上でシミュレーションして対策や検査するために、こういった「音として限界の域」の試験設備が必要になります。 これに