日本時間1月3日早朝、ドル円相場は2018年3月以来の安値となる1ドル=104.10円をつけた。米中貿易戦争、政府機関閉鎖、これらを受けたアメリカの金利低下やアメリカ株安への不安が強まっていた。そこへ、同日、アップル社が業績予想の下方修正を発表したことが、もともと投資家にあった世界経済減速の疑いを確信に変えさせた格好である。 しかも、下方修正の理由が「中国での販売不振」であったことも不安を一段と高めることに寄与したと見受けられる(ただし、スマートフォン市場の飽和感に基づいた下方修正であって、米中貿易戦争が直接原因ではないとも思われる)。その後、ドル円は買い戻され、本日東京時間午前では1ドル=107~108円を推移しているが、1カ月前に比べ水準は明確に切り下がった。 バブル崩壊にはえてして「分かりやすい号砲」が必要である。10年前の前回はそれがパリバショックやリーマンショックと呼ばれた。今回