アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系投資持ち株会社ドバイ・ワールドの債務返済延期要請を受け、世界の金融機関が新たに損失を抱える懸念が出てきた。震源地のドバイやペルシャ湾岸諸国でも混乱の拡大が懸念されている。 ◆「最悪でも管理可能」 英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、米金融大手シティグループと英バークレイズ、ドイツ銀行、クレディ・スイスは26日、債務繰り延べ要請を行ったドバイ・ワールド関連のリスク資産はわずかだと非公式に説明したという。 しかし、業界アナリストはドバイの経済情勢の悪化に伴い、数十億ドル規模の損失が発生する可能性があると分析。同紙がクレディ・スイスの資料を基に報じたところではドバイの政府系企業体が発行した債券への欧州の金融機関のリスク資産は最大400億ドル(約3兆4380億円)に上る可能性がある。アナリストによれば、これはドバイ全体の債務800億ド