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ブックマーク / brevis.exblog.jp (30)

  • ライン、ショップ、セル 〜 生産方式を理解する | タイム・コンサルタントの日誌から

    社内の勉強会で、若手のエンジニアに対し、「スマート工場とは何か」をテーマに話をしている。といっても、スマート工場に関する共通定義が、世の中に明確にある訳ではない。だから、既存の工場にロボットやAGVを1,2台導入して、ちょっぴり作業を自動化したり、タブレット端末やセンサーを数カ所につけて情報化したりしたら、誰でも「ウチはスマート工場です」と言えてしまう。ある意味で便利な(?)社会である。 もちろん、AGV(Automated guided vehicle=自走台車・無人搬送車)を導入してちゃんと動かしたり、センサーで意味あるデータを取得したりする取り組み自体は、意味あることだ。そのこと自体を否定するつもりは、まったくない。また、そうした取り組みは、けっして、端の人間が見るほど簡単ではない。 どうしてかというと、工場はそれなりに多数の設備と業務が組み合わさって、できあがっているからだ。そこに

    ライン、ショップ、セル 〜 生産方式を理解する | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2021/05/16
    「大学の先生って、学会誌に論文を何本書くかで、文科省から能力を測られるからねえ、基礎的な本を書いても業績にならない」
  • 製造業のデータって、ほんとはDXに向いていないのかもしれないね | タイム・コンサルタントの日誌から

    (前回のあらすじ)あなたは、ある製造業の工場に勤める若手のエンジニアだ。案外パソコンに詳しい、などとおだてられて手製のツールなどを作っているうちに、いつのまにか工場長から『製造IT担当』なる係にされてしまった。なんだか技術者というよりも便利屋みたいだな、などと思いながら、それでも製造ラインのデータを取得するIoTなどの仕組みを工夫したり、生産管理システムの改修要件をとりまとめたりしてきた。 そんなある日、社から突然、「全社DXチーム」のメンバーに任命されたから会議に来い、と命じられる。専務が委員長で、情報システム部の次長が事務局長だ。社内の主な部署から、若手中堅メンバーが集められている。だが、参加してみたものの、皆、何をすればいいのか思案顔であった。最近のデジタル技術は、従来のサーバとPCの中のITより、現実世界とインタラクションが強い、だからそれを利用すればいい、という意見もでた。だが

    製造業のデータって、ほんとはDXに向いていないのかもしれないね | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2020/11/02
     あるあるやなぁ。すごい。
  • 自社の生産形態をデザインする | タイム・コンサルタントの日誌から

    ときおり頼まれて、生産スケジューリングの話を人前でする。生産計画やスケジューリングについて困っている方が、製造業には多いのだろう。中堅中小の工場はいうに及ばず、結構な大企業の工場に行っても、Excelの生産日程表を現場に配って、現場のリーダーたちが個別に指示采配しているケースを、よく見かける。 Excelだから悪いと決めつけるのは早計かもしれないが、現場の状況に応じて臨機応変に修正するには、どうしたって時間がかかる。だから納期や機械稼働に変動の多い工場では、機動的に指示変更が出せない。出せないと、需給のタイミングがずれて、欠品や在庫が増えることになる。かくて納期遅れが多いのに、無駄な在庫も多い、という現場ができ上がる。 そこで、何か良い知恵はないかとお集まりの皆さんに、わたしが必ず最初にする話が、『生産形態』の種別の説明だ。なんだか肩透かしをらったような気がすると思う。生産方式と生産形態

    自社の生産形態をデザインする | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2019/02/25
  • 人が働く場としての工場 | タイム・コンサルタントの日誌から

    駐車場を出たとき、車の後ろの席で、P社の社長はそうつぶやいた。わたしは関西にあるPという株式会社を訪問して、工場を見学させていただき、そこの社長さんと何人かの方と一緒に、車で新幹線の駅へと向かう途中だった。車は途中で一旦、とある屋外駐車場による必要があった。 駐車場の入り口には、昔の電話ボックス位の大きさの小屋があり、そこに番人が座っていた。顔にシワの刻まれた、中高年だったと思う。彼はそこに来る日も来る日もたった1人で座り、車の出入りや場所の移動等の作業をしていくのだ。同僚との会話もなく、明確な休憩時間もない。暑さ寒さも厳しい。自動ゲートの機械を入れれば済むのだが、駐車場のオーナーは単純労働者の低賃金で済ましているのだろう。 後ろの座席でのP社長のつぶやきを聞いて、わたしは、「人が働くとはどういうことか、人をどう使うのが良いのか」について、つねに自問している方だと思った。わたしは今、見てき

    人が働く場としての工場 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • BOM(部品表)で苦労する会社、得する会社 | タイム・コンサルタントの日誌から

    よくセミナーなどで、「マネジメントとはどんな仕事でしょうか?」と問いかけると、「PDCAサイクルを回すことです」という答えが返ってくることがある。とくに製造業では、継続的改善のためのデミング・サイクルが、全員の頭にまことによく刷り込まれている。これ自体は立派なことだと思う。 だがPDCAサイクルを回すことだけが、マネジメントのすべてではない。そこは誤解してもらいたくない、と思う。なぜなら、企業の中には、一過性の仕事というのも多数存在するからだ。新製品を設計する、試作品を検査する、特注品を製造する、新工場を海外に開設する・・こうした仕事はすべて、一過性である。PDCAサイクルは、繰返し性のある仕事を、さらに高いレベルに改善していくことで、だからCheckとActionが入っている。じゃあ繰返し性のない一過性の仕事は、どうしたら良いのか? 一過性の仕事を計画すること、実行可能にすること、再利用

    BOM(部品表)で苦労する会社、得する会社 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • なぜ、製造業のIT化が進まないのか? 〜お金をちゃんと投資しよう | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが中小企業診断士の資格を取ったのは、もう20年以上も前のことだ。その頃、診断士の試験は「鉱工業」「商業」「情報」の3コースに分かれていた。どの試験を通っても、おなじ診断士の資格を名乗れる。わたしは情報系を選んだ。「情報」コースには、さらに専門試験科目が「流通情報」と「生産情報」の二種類あったので、わたしは「生産情報」を選んで試験を受けた。工場づくりをビジネスとするエンジニアリング会社に勤める人間としては、当然の選択であった。 ちなみに診断士試験に「情報」コースができる前は、「鉱工業」と「商業」の二種類しかなかった。これはちょっと不思議である。だって、まるで中小企業には製造業と流通業しかないみたいではないか(鉱業も入っているが、石炭産業の盛んだった戦後ならいざ知らず、鉱業にはほとんど大企業しか残っていない)。しかし、たとえば運送業にも建設業にも、中小企業はたくさんある。それなのに専門試

    なぜ、製造業のIT化が進まないのか? 〜お金をちゃんと投資しよう | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2016/11/28
    ぶっちゃけ、ITが信用されてないからだよね。10年後20年後まで責任もってサポートしてくれるっていうIT会社は少ない。それが社会的損失を生んでいるのはご指摘の通りだけど、生産現場だけに責任がある訳ではないよ。
  • 見えない非効率 ー 今、動いているんだからいいじゃないか | タイム・コンサルタントの日誌から

    新任の取締役が、あるとき担当する事業部の支社を見に行った。一通り見学し、支社長らと懇談した後、かえろうとしたら、ある部署だけ灯りがついているのを見つけた。現場仕事はもう終業しているのに、管理部門の1セクションだけ、忙しそうに机にむかって仕事している。 「何をしているの?」と彼がたずねたところ、「社に送る書類を作成しているんですよ。毎月、数字をまとめて送らなけりゃいけないんで、残業になるんです。」との答えだ。資料を見て、さらにたずねる。「社は、この統計資料を見てどう役立てるんだろう?」「・・存じません。社にたずねてください。」 その取締役は社に戻ると、早速、送付先の企画部門にいって、その書類のことをきいてみる。すると、「ああ、その書類ですか。工場が毎月送ってくるんでね、ファイルして保管しているだけです」という。「でも、なんで工場はその書類を送ってくるのかな?」「さあ・・。」 いろいろ

    見えない非効率 ー 今、動いているんだからいいじゃないか | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2016/11/14
    まぁ、多くの企業は、作ったものが思うように売れない事で悩んでるんですけどね。効率UPは、売れる前提が無いと役に立たない。
  • 技術リーダーの出現をはばむもの | タイム・コンサルタントの日誌から

    「最近の日の経済はどうですか?」——外国人と事をしていると、よくたずねられる話題だ。先週、北米の関連会社から来たエンジニア事していた時も質問された。またその前の週にも、フランスで開かれたPM関係の国際シンポジウムの夕会で、隣り合わせた顔見知りに、まったく同じ事をきかれた。彼は米国のビジネススクールの学部長だった。反対側に座ったインド人(彼は豪州の大学教授だったが)も、興味深そうに聞き耳を立てる。米国もオーストラリアも日から見れば隣国のようなものだが、こちらの発信力が低いせいか、日の状況はさっぱり分からないらしい。わたしは答えた。 --良くないよ。GDPは成長どころか、じり貧だ。株価は一応保っているけど、最近の報道によると、日銀と政府系の年金基金はなんと、上場企業全体の7%もの株式を買って持っているらしい。つまり買い支えているわけだ。 その問いに答えるのは、簡単ではない。経済学

    技術リーダーの出現をはばむもの | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2016/09/07
  • 生産システムとは、どういう仕組みだろうか | タイム・コンサルタントの日誌から

    法政大学の西岡教授といえば、現在、「つながる工場」のための緩やかな標準づくりで、日版インダストリー4.0として注目を集めるコンソーシアム"Industrial Valuechain Initiative”(IVI)https://www.iv-i.org/を率いている方だ。その西岡教授は、日機械学会の研究分科会報告の中で、世の中にあるシステムは、二種類に大別できる、という興味深いことを書いておられる。 「自動車や携帯電話など、人がその外側にいるシステムを第一種のシステムと呼び、人がシステムの内部にいて、その構成要素となっているものを第二種のシステムと呼ぶことにしましょう。はたらく作業者である“私”にとって、私は生産システムの一部であり、システムの内側にいます。これまで工学の世界では、第一種のシステムを多く手掛けてきました。その反面、第二種のシステムは、挙動が自然法則のみに依存せず、なか

    生産システムとは、どういう仕組みだろうか | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2016/05/25
    「主なインプットが交代したのだ。」
  • トマト・ケチャップから考える米国のリショア(製造回帰)現象 | タイム・コンサルタントの日誌から

    ハインツ(ヘインズ)のトマト・ケチャップの瓶を見るたびに、“なんて米国的なモノなんだろう”といつも思う。あの、8角形のガラス瓶で、内容量がたしか11オンス(oz)だかのやつだ。わたしの小さな手で握ると、周囲が余る。もっと手のでかい、白人サイズなのだろう。白い金属のふたの下には、広口瓶のような何の変哲も工夫もないネックが現れる。これを手に持って逆さにして振って、ケチャップを出すのだが、なにせケチャップはどろどろしているし、瓶の口は直径が3/4インチ(2cm弱)くらいあるから、振ってもちっとも出ないか、あるいはドバッと出過ぎるか、どちらかなのである。その大ざっぱさがまた、ある意味アメリカ的だ。 驚くのは、そのシェアの大きさと均質性だ。全米のどこに行っても、堂ではこれが出てくる(家庭用に樹脂製容器を売り出したのは、何と今世紀に入ってからである)。瓶のサイズも全く同じ。もっといろんなサイズがあっ

    トマト・ケチャップから考える米国のリショア(製造回帰)現象 | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2015/11/15
    「、2013年に“転機の年”を迎えた。この年、とうとう米国から海外に移転する雇用数を、米国に回帰する雇用数が上回ったのだ。米国にとって、すでに海外移転と空洞化の時代は終わった」
  • 在庫は本当に悪なのか — 在庫管理論を再考する | タイム・コンサルタントの日誌から

    少し前、生産管理に関して人前でお話しさせていただいたときのことだ。“納期遅れを防ぐために、もっと積極的に在庫を活用しよう”という趣旨の説明をしたあとで、ふと心配になって、セミナーの受講者の方にこう質問した。——皆さん、在庫は悪だと思いますか? すると、40名近い受講者がほぼ全員、「悪だと思う」という答えの方に手を上げた。わたしはちょっと驚いて、前に座っていた方にたずねた。 ——どうして、悪だと思うのですか? 「だって、置いておけば、コストがかかるでしょう。場所代とか。在庫がなければかかりません。」というのがその人の答えだった。 ——たしかに、どこか倉庫を借りておいておけば、保管費用がかかりますよね。でも、失礼ですが、御社の工場は借地ですか? もし自社の敷地だとしたら、工場の隅っこに置いておいておけば、1円もコストはかかりませんよ? 「それは、そうかもしれませんけれど・・金利がかかります。」

    在庫は本当に悪なのか — 在庫管理論を再考する | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2015/01/13
    GJ。この再教育は本当にしっかりやってほしい。 トヨタ方式が変な広まり方してんだよ。
  • 情報とは何か、なぜかくも奇妙な性質を持っているのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    「コンプレッサーがいかれちゃってますね。残念ながら修理不能です。」P社のサービスマンは、故障した冷蔵庫を点検して、わたしにそういった。・・うーん、そうですか。しかしまあ1993年製なんだから、寿命と思ってあきらめます。今まで20年間、ずっと文句も言わずに働いてくれたんだし、仕方がないですね・・。サービスマン氏は、わたしの独り言を聞き流しつつ、てきぱきと熟練した手つきで工具をしまうと、さらにこういった。「申し訳ないのですが、規定ですので、出張サービス料をいただきます。」 三千数百円の料金を、わたしは支払った。点検はわずか20分程度だったが、ここまでの移動の往復を考えると1時間以上は拘束している。当然の費用だと、わたしも思った。ただ、考えてみると、これは何の代償として払う費用なのだろうか? わたしの手元に、何か新しい「モノ」(補修部品)がおさめられた訳ではない。「サービス」といっても、彼がきた

    情報とは何か、なぜかくも奇妙な性質を持っているのか | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2014/08/04
    「このような奇妙な特殊性があるため、法律も会計学も、まだ本当は情報をうまく扱えていないように見える。」
  • 稼働率100%をねらってはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から

    多くの製造業においては、工場の稼働率が、重要な管理指標として今も使われている。3週間前のエントリ「原価の秘密 - なぜ、黒字案件だけを選別受注すると赤字に陥るのか 」(2014/07/06)でも説明したように、製品の個別原価を計算する際、材料費や労務費などの他に、製造機械の使用時間に応じた費用を含めるのが普通だ。その製品の加工作業で、製造機械が何時間必要だったかをベースに、機械のコストをチャージする。いわば“機械の使用料”だ。 個別の機械1時間あたりの使用料単価を『機械賃率』と呼ぶが、これは各機械の年間の維持費用(減価償却費等)を、年間の実稼働時間で割って計算する。機械の遊んでいる時間が多いほど、実稼働時間は減るから、同じ作業をしていても原価が上がる、というのがふつうの会計の仕組みだ。だから、製造業では稼働率を上げるべく、あれこれと努力するという訳である。 そして、前回のエントリを読まれた

    稼働率100%をねらってはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から
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    chintaro3 2014/07/28
  • なぜ納期に遅れるのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    の製造業の9割は、受注生産の形態だろうと、以前書いた。確たる統計を知っている訳ではない。経験にもとづく感覚的なものである。だが、一般の人の常識とは異なっているので、こういうと驚く人が少なくない。いつかも、ある企業にお邪魔したとき、そこの部長さんが「ウチは受注生産なので特殊です」と胸を張っておられた。他所のコンサルなんかに、わが社の仕事の難しさが分かってたまるか、という雰囲気も、少し込められていたかもしれない。貴方の会社はぜんぜん特殊でも例外でもありませんよ、とお答えしたが、相手は半信半疑だった。 なぜなら、世間でいう製造業とは自動車とか、家電・パソコンとか、カメラ、飲料・品、日用雑貨などであり、そこに共通したイメージがあるからだ。すべて、自社で開発した製品を、需要を見込んで生産し販売する「見込生産」の形態で動いているメーカーである。だから、そうした生産形態が普通であり、受注生産は例外

    なぜ納期に遅れるのか | タイム・コンサルタントの日誌から
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    chintaro3 2014/06/16
  • 石油・ガス業界のニュースから見えてくる、奇妙な国際関係のループ図 | タイム・コンサルタントの日誌から

    先月、ロシア中国がシベリア産天然ガスの大型商談で合意したのとほぼ同じ日に、ロイター発で中国の石油・ガス関係のもう一つのニュースがでた。それは最近、中国のイランからの原油輸入量が倍以上に急増した、という報道である。中国は一応、産油国であるが、とうてい最近の自国のエネルギー需要をまかなうことはできず、石油の輸入国でもある。それが、イランから沢山の原油を輸入することで、両国関係をさらに緊密化する傾向にある、という情報であった。 イランと中国といえば、ロシアと並び、米国の世界戦略を邪魔する仮想敵国であり、油断のならない相手である、というのが一般の感覚であろう。それが石油・ガス取引を軸に手をつなぎつつある、という印象をこのニュースは与える。 ところが、ちょっと調べてみると、ことはそれほど単純ではない。まず、中国はかなりいろいろな国から原油を買っている。これは輸入国にとっては、エネルギー安全保障の観

    石油・ガス業界のニュースから見えてくる、奇妙な国際関係のループ図 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 大企業病の作り方、治し方 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「自分は『プロジェクト・マネージャー』というほどの者ではなく、『プロジェクト・チームのリーダー』といった役柄です。」——顧客とのチーム・ビルディングの席上で、相手方のトップの米国人はそう語った。聞いていたTさんは、単に謙遜しているのだと思ったそうである。時は'90年代。今ではベテラン・エンジニアのTさんが、やっと担当者レベルを卒業し、小さな1セクションのサブチーフ職に片足をかけた頃のことだ。バブル崩壊で国内市場は低迷し、Tさんの会社がようやく久しぶりに欧米企業から受注できた海外向けビッグ・プロジェクトだったという。Tさん自身も高揚する気持ちをおさえつつ、顧客とのチーム・ビルディングに参加していた。 その顧客はチーム作りのセッションを大切にしていた。彼らは発注者として、かなりの数のチーム・メンバーを、設計期間中にTさんの会社に駐在員として送り込んでくる。無論、Tさんの側も精鋭を結集して、受注

    大企業病の作り方、治し方 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    chintaro3 2014/05/11
     あるある。現実問題としては、こういう状況下で自分の利益を顧みないバカがクビを覚悟で突破口を切り開くしかない訳だが、バカを採用しない会社は完全に詰む。
  • なぜアメリカに海外工場を展開しないのか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    デンバーでの仕事を終えたわたしは、テキサス州ヒューストンに向かった。最近開設したばかりの新しいオフィスで、グループ企業の幹部と打合せするためだ。全米のOil & Gas業界のメッカであるヒューストンは現在、非常な好景気にわいている。もちろんシェールガス革命のおかげである。米国の経済状況はまだら模様で分かりにくいが、少なくともエネルギー関係の産業は活況であり、そのためプラント系エンジニアも人手不足状態になりつつある。 シェールガス革命については、いろいろな事がいわれているが、的外れな解説も日ではときどき見かける。Oil & Gasの分野の用語や技術が、分かりにくいからだろう。当サイトで1年ほど前に『シェールガス革命と、エネルギー価格のゆくえ』とう記事を書いたが、その後の情勢などは、いずれ項を改めて書こうと思う。しかし今回は、別のテーマである。それは、なぜ日の製造業は、海外に工場展開を考え

    なぜアメリカに海外工場を展開しないのか? | タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2014/04/30
    アメリカはなぜ日本に工場を作らないんだろうね?
  • なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「なぜなぜ分析」は、品質管理や労働安全管理などの分野で、よく用いられる手法だ。発生した問題事象の根原因を探るために、「なぜ?」「なぜ?」とくりかえして掘り下げていく。この問いかけを“5回はくりかえせ”と、よく指導しているため、別名「なぜなぜ5回」とも呼ばれる。元々、トヨタが発祥の地であり、トヨタ生産方式の普及とともに、他の業界や分野でも使われるようになった。 図は、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の著書から一例をとって、図示したものだ。工場内のある生産機械が故障してとまったとき、「なぜ機械は止まったか?」の問いに、「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」と答えただけでは、じゃあヒューズを交換して再起動すればいい、という答えしか出てこない。 しかし、なぜオーバーロードがかかったのか?→ (2)軸受部の潤滑が十分でないからだ、とほりさげ、 さらに (3)潤滑ポンプが十分組

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    chintaro3
    chintaro3 2014/04/27
    あるある。
  • 社長で会社は決まる、のか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    以前から読まれている方はお気づきのことと思うが、このサイトでは個別の会社批評や経営者論は、まったく書かないことにしている。サイトの記事は、外部からは「経営」とか「ビジネス」に分類されることが多いが、特定の会社や経営者の批評をしない点が、たぶん他との一番の違いかな、と思う。ついでにいうと、ビジネスマンの居酒屋トークでもっとも好まれる話題の一つは、よその経営者批評だろうが、懇親会や飲み会で人と話すときも、その種の話題のときは、わたしはずっと黙って聞き役に回ることにしている。 数ヶ月前、昔からの友人と一緒に飲んだときにも、日を代表する超有名企業S社の業績不振が話題になった。というのも、彼はその会社に長らく勤めた後で、少し前に辞めたばかりだったからである。抑えた口調だったが、業績悪化の理由は経営者にあった、と彼はいう。かつて自分が勤め、また好きでもあった会社を、外人社長がいかに壊していったか、

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    chintaro3
    chintaro3 2014/02/10
  • クリスマス・メッセージ:折れない心をもつために : タイム・コンサルタントの日誌から

    Merry Christmas! 5年前から、大学でプロジェクト・マネジメントを教えるようになった。今年の前期は東大の大学院で、また後期は法政の学部3年生に教えてきた。それ以外にも、単発的に依頼されて話した事もある。個別のエピソードについては、すでに何度か書いたと思う。しかし全体として、何をどんな風に教えるべきか、いつも悩ましい。 悩む最大の理由は、大学生・院生が実務の経験をほとんど持たない事だ。共同で事に当たることがなければ、プロジェクト・マネジメントの必要性がピンと来ない。また、授業で例題を考えるにしても、ビジネスに関わるケースを採り上げづらい。だからいきおい、「たとえば、あなたが同期30人の集まるパーティの幹事になったとしよう」といった例になってしまう。 それでも、講義を数回聴いた学生は、しだいにその意義が分かる者が出てくる。アンケート用紙にも、「もっと早くからこういう話が聞きたかっ

    クリスマス・メッセージ:折れない心をもつために : タイム・コンサルタントの日誌から
    chintaro3
    chintaro3 2013/12/23