欧米の霊柩車の発達 人の死は常に日常生活のなかに割り込んでくる。死が発生するとまず最初に行わなければならない処置に、遺体を死亡場所から安置場所に動かすことである。欧米では人が病院などで死亡すると、遺体を葬儀場に運び、そこで遺族・会葬者との最後のお別れをして、葬儀場内のチャペルで葬儀を行う。そのあと棺を霊柩車に乗せ埋葬のため霊園に向かう。霊柩車を先頭に遺族の乗ったリムジーン、そして友人たちのマイカーが続く。葬列の変化はこの霊柩車の変化と大きくかかわり合っていたのである。 ●霊柩自動車発生以前の歴史 土葬、火葬などを問わず、葬列は死者を送る荘重な社会的行為である。単純な式、あるいは壮大な式を行うかどうかは別として、葬列は多くの人々が集う劇的な行事である。また葬列は儀式全体のクライマックスでもある。 『全ての行列のなかで葬式行列が最も古い。』といわれる。 葬式(funeral)はラテン語のfun