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ブックマーク / docs.miko.org (1)

  • 春来る鬼——秋田にのこる奇習—— - Docs

    十五日……夕くれふかう灯火とりて炉のもとに円居してけるおりしも角高く丹塗りの仮面に、海管と言うものを黒く染めなして、髪ふり乱し、肩蓑と言うものを着て、何の入りたらんかからからと鳴る箱ひとつをおい、手に小刀を持てあといいて、ゆくりなう入り来るをすはや生身剝よとて、童は声もたてず人にすがり、ものの陰ににげかくろう。これにとらせてあなおかな泣くななとおとしぬ。 秋田の雪に埋れた夜の生活を続けて居た菅江真澄は、此数年以来急に世の中に現れて来た。これで注意深い農村の観察者が一人加わったわけである。啻に観察者と言うばかりでなく、菅江真澄の記録は話にある体系のある学問から、それの資料になる一つ一つの事実を断片化して示すように殆ど、意味もあるまいように見える農村の断片的な行事、或は細やかな人心の動きを見て取って記述している。 私が秋田の物語りをするのは、誠に其当らぬことではあるが、元の太平山三吉神社の社

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