ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリ。ウクライナ兵がアゾフスタリ製鉄所で数週間にわたって籠城戦 を続けたことを覚えている人も多いだろう。最終的に彼らは投降、町は廃墟と化し、2022年5月にロシアの支配下に移った。ロシアによるウクライナ侵攻から2年が過ぎた今、町は大きな変化に直面している。【江谷入也/ジャーナリスト】 【写真】ロシア支配下のマリウポリにある店の「寿司」。マグロやサーモンなど質は悪くない。 あちこちに寿司店やラーメン屋 1月下旬にマリウポリを訪れたドイツ公共放送「ZDF」の取材班は、ロシアがいかに膨大な資金を投じ、町を再建しているかをリポートした。「戦争を両サイドから報じることが重要」と主張するZDFに対しウクライナ外務省は、政府の許可を得ずリポートを行ったとして反発している。 ZDFとほぼ同じタイミングでマリウポリを訪れた。最初に目につくのは統一感の無さである。東日本大震災の