2022年2月、ロシアがウクライナに全面侵攻しました。国際法を無視するロシアに世界各国からの非難の声があがっていますが、停戦の兆しは見えず、長期戦になるとも言われます。なぜロシアは戦争をはじめ、そして続けるのでしょうか? 『諜報国家ロシア』の著者・保坂三四郎さんは、その背景には、ソ連時代に国家の根幹を握った諜報機関「国家保安委員会(KGB)」と、ロシア連邦でそれを継承した「連邦保安庁(FSB)」の存在があると指摘します。 ロシアの諜報機関について、そして著書の執筆意図について、保坂さんに聞きました。インタビューの前編。 ――本書は、KGBとFSBの歴史や思想、工作の手法が事細かに描かれています。保坂さんは、そもそもなぜロシアのインテリジェンス研究を始めようと思ったのでしょうか。 保坂:私はもともと、現代のウクライナ人の歴史的記憶などを研究しており、実はつい数年前まで、KGBどころかFSBに
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