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  • 今週の本棚:加藤陽子・評 『歴史と国家』=マーガレット・メール著 - 毎日新聞

    (東京大学出版会・6264円) 日の近代史学誕生の物語 ドイツのボン大学で日史を学んだ著者が日へとやってきたのは1980年代末。留学先は、東京大学文学部国史学研究室と、同じく学内にある史料編纂(へんさん)所、この2か所だった。 橋の下を多くの水が流れ、今や彼女は日初、いや世界初のを書き上げた人となった。明治政府が維新の正統性を示そうと挑んだ修史事業の全過程(1869年開始、93年中断)、つまり、国家の「正史」を描こうとしながら挫折した企ての顛末(てんまつ)を丁寧にたどった書がそれにあたる。官撰(かんせん)の歴史を書くよう期待された部署、それを継承した機関が、若き著者が留学先に選んだ2つの場所だった。 近代的歴史学の日における誕生の物語を、ドイツの学者に先に書かれたのは不覚、などと思われた方があるかもしれない。だがこう考えてみてはどうだろう。ヨーロッパの出身、特にドイツ人だから

    今週の本棚:加藤陽子・評 『歴史と国家』=マーガレット・メール著 - 毎日新聞
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