依頼に応じて個人の遺伝子を調べ、肥満や生活習慣病などの可能性を予測するサービスが増えている。予防への活用が期待される一方、高額な料金で科学的根拠が薄い予測を出したり、子供の能力を調べる業者も現れた。手軽さの半面、危うさもはらむ遺伝子検査ビジネス。専門家でつくる学会がこのほど、国による監視を求める声明を発表するなど、過熱を心配する声もある。【河内敏康】 ■血液や粘膜から 東京都内のあるクリニックで遺伝子検査を受けてみた。 腕に注射針を刺し、2ミリリットルほどの血を採る。このクリニックは、血液を大阪市の検査会社「サインポスト」に送って調べている。同社は大阪大医学部発のベンチャー企業で、肥満、糖尿病、脳卒中につながりやすい血栓など、62種類の遺伝子を解析。過去の6000人以上の症例から導いた平均値と比べた、その人の体質の「危険度」を判定する。1~2週間すると、結果がクリニックに送られ、依頼者に通