プロレスの世界には長きにわたって「ヤオガチ論争」が存在している。 八百長(ヤオ)なのか真剣勝負(ガチ)なのか、という議論である。 時にそれはバラエティ番組でも起こる論争である。いわゆる「やらせ問題」だ。特にリアクション芸などで俎上に載せられることが多い。 たとえば、「熱湯風呂は本当に熱いのか?」 ダチョウ倶楽部の上島竜兵の場合、答えは「熱くない」だ。 熱くない“熱湯”を誰よりも「熱く」見せるリアクションで右に出るものはいない。それは天下一品の芸だ。 一方、出川哲朗の場合、本当に「熱い」ほうが本領を発揮する。 普通、本当に熱いと人はリアクションを取れないものである。が、出川は違う。その熱さを熱さのままの臨場感で伝えることができる稀有な存在なのだ。 「リアルに」が口癖のこの男は「リアルより上の『リアルガチ』」という言葉を生み出したようにどこまでも「ガチ」志向が高い芸人なのである。 それがよく垣