「今日、こんなに皆が来てくれるのを知らんかったら、私達は女王蜂を休んでいたかもしれない。でも本当に、止まらなくてよかった」――この日のアンコールで、アヴちゃんは渋谷AXを埋め尽くしたファンに向かってそう言った。2時間近いショウの間に何度も何度も「ありがとう」を繰り返し、時に涙を見せながら、アヴちゃんは、女王蜂は、この日つまり「再生」を遂げたのだと思う。その再生をファンの皆の前で実現できたことは女王蜂の未来にとってかけがえのない体験となっただろうし、彼女達の再生はファンの存在なくしてけっして成し遂げられなかったはずだ。そういう意味でも、女王蜂とファンの一心同体の関係をここまで強く感じたライヴは初めてだったのではないか。とにかく、とんでもなく痛切で、とんでもなく美しいライヴだったのだ。 今年の初春に全国を回った「孔雀婦人」ツアーの追加公演としてブッキングされたのがこの日の渋谷AXである。東京公