立憲民主党の菅直人元首相(77)は8日、国会内で記者会見し、次期衆院選への不出馬を改めて表明した。首相在任中の平成22年9月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で発生した中国漁船衝突事件で、中国人船長を超法規的に釈放したことについては「大きな間違いだったとは思わない」と主張した。 この事件を巡っては、海上保安庁は巡視船に体当たりした中国人船長を公務執行妨害容疑で逮捕したが、政府は中国側に配慮して処分保留のまま釈放した。当時の民主党政権は釈放について「検察独自の判断」と繰り返し強調し、政府の関与を否定し続けてきた。 菅氏は8日の記者会見で中国人船長の釈放を自ら指示したかを問われ、経緯に関する細かい記憶は薄れていると断りつつ、「首相だから、私が指示したといわれるのは当然だ」と認めた。その上で、「あの段階の判断として(日中関係を)こじらせるよりも、ある程度の理解の中で対応したつもりだ」と説明した。 菅氏