九州の地方都市に住んでいた40代のヤマグチ=仮名=は数年前、通り魔的に強制わいせつ事件を繰り返し、懲役10年以上の判決を受けた。 通りすがりの少女を脇道や田んぼに引きずり込んで、体を触る。女子高生の後をつけ、帰宅した自宅に忍び込んで、わいせつ行為をする。カッターナイフを突き付け、脅す手口だった。 これほどの犯罪にもかかわらず、当初は罪の意識がそれほどなかったという。 頭の中では、「脅迫」は女性に近づくための入り口で、その後、話して和ませ、口説いたことになっていた。「女性が涙を流して嫌がれば、犯行を思いとどまった」というヤマグチは「(被害者の中には)携帯電話に保存している写真を交換したり、雑談したりして、楽しい時間を過ごせた人もいた」と思っていた。 ■ ■ 性犯罪者の多くは、女性に対し「認知のゆがみ」と呼ばれる誤った思考を持っているとされる。 警察庁科学警察研究所で主任研究官を務めた内