「自由」の本当の意味 自由はいいなあ。自由に生きたい。誰もが自由にあこがれる。 では、自由とはなんだろう。 自分の思うとおりに、何でもできること。制限や束縛がないこと。——確かに。でもこれは、自由の一面にすぎない。 自由を、まるごと理解する。すると、まったく違った世界がみえてくる。 「自由」という日本語は、新しい。明治になって、よく使うようになった。 自由という言葉だけなら、古くからあった。仏教や儒学のテキストに書いてあった。いい意味とは限らなかった。でも欧米では、自由はとてもいいことらしい。翻訳された本を読んで、みんなそう思った。 自由民権運動があった。明治10年代に、議会の開設、憲法制定を求める声が、日本中に広まった。政府もしぶしぶ、それに応じた。 「自由!民権!」薩長の藩閥政治に対して、全国の人びとが声をあげた。自由は、政府は勝手をしないでくれ。民権は、自分たちの言うことも聞いてくれ