(英エコノミスト誌 2011年5月7日号) 最高級不動産の大幅な価格上昇は、より豊かな新しい現実を反映している。 夕食会での住宅価格に関する会話、豪華なモデルハウスの広告が満載の新聞、そして3年前の2倍の価格で売買される不動産物件――。最近、ブラジルの商都サンパウロは、バブル崩壊前のロンドンかニューヨークのように感じる。 ブラジルやその他の中南米諸国で広がる不動産熱は、この地域の経済復興が過度な熱狂に転じてしまったのではないか、という不安を一部の人に与えている。だが、今回の住宅ブームは過剰債務ではなく、むしろ繁栄の高まりに根差している。 ブラジルの大都市の高級地では、不動産価格が確かに急騰している。同国で初めて、統計的に信頼できる住宅価格指数を開発した調査会社IBOPEインテリジェンシアによれば、2010年にサンパウロの新築マンションの平均価格がおよそ25%上昇し、一等地ではそれ以上に上昇