親の目の届かないところで幼い子どもがした行為で、他人がけがなどを負ったとき、親がどこまで賠償責任を負うべきかについて、最高裁判所は「子どもの行為が通常なら危険がないもので、偶然起きてしまった事故の場合には、原則、親の責任は免除される」という初めての判断を示しました。 男性はその後亡くなり、遺族が児童の両親に損害賠償を求めた裁判で、1審と2審は幼い子どもの過失は親が代わりに賠償責任を負うとする民法の規定を基に、両親に1000万円を超える賠償を命じていました。 この裁判の判決で、最高裁判所第1小法廷の山浦善樹裁判長は「親は、目の届かないところで子どもが他人に危険が及ぶような行動をしないよう、日頃からしつけをする義務がある。しかし、校庭でサッカーゴールに向かってボールを蹴るといった、通常は危険がない行為によって、偶然事故が起きてしまった場合は、原則、親の賠償責任は免除される」という初めての判断を