「現代歴史学と南京事件」(柏書房、笠原十九司・吉田裕編著、2006年5月刊)が刊行されて10ヶ月経過しましたが、否定派の人たちからはこの本で紹介された「岡村寧次大将陣中感想録」『戦場心理ノ研究−総論−』の2つの史料に対するレスポンスがありません。早い話が両史料は「スルー」されているわけです。 映画「南京の真実」とか冨澤繁信「「南京事件」発展史」とか自民党・民主党それぞれの議連とか櫻井よしこ氏の言説とか、この10ヶ月で否定派の言動は活発化しているのに、どうして「岡村寧次大将陣中感想録」『戦場心理ノ研究−総論−』は徹底的に無視されるのでしょうか。 というか、「岡村寧次大将陣中感想録」『戦場心理ノ研究−総論−』を無視したうえで構築される「南京事件否定論」に、意味はあるのでしょうか。 2つの日本軍史料をスルーして否定論を発信する行為は、それこそ「歴史修正主義者のプロパガンダ」と判断されても仕方がな