奈良市の大安寺(河野良文貫主)で23日、がん封じにご利益があるとされる笹酒を振る舞う「光仁会(こうにんえ)・笹酒祭り」が営まれ、大勢の参拝客が長寿を願った。 奈良時代、寺を参拝した光仁天皇が竹で温めた酒を飲んで健康を保ち、62歳の高齢で即位したことにちなんだ行事。着付けを学ぶ和服姿の専門学校生約20人が、長さ約1・2メートルの竹筒ごとたき火で酒を温め、参拝客の杯に注いだ。 10年前に妻をがんで亡くして以来、毎年訪れているという兵庫県尼崎市、無職大山厳さん(83)は「心も体も温まる。健康を保ち、妻の分まで長生きします」と酒を飲み干していた。