聖武天皇ゆかりの宝物などを納める正倉院(奈良市)で1日、点検や特別調査などのため扉を年に1度開く「開封の儀」が行われた。宝物の一部は、23日から11月11日まで奈良国立博物館(同市)で開催される「第62回正倉院展」で公開される。 儀式は午前10時から行われ、勅使の佐々木克之侍従や杉本一樹正倉院事務所長ら17人が参列。手や口を水で清めたあと、宝庫の扉に掛けられた麻縄を切って「勅封」を解いた。「閉封の儀」の12月3日、再び扉が閉められる。 今年の正倉院展は平城遷都1300年を記念し、インド起源の五絃琵琶でらでん飾りが豪華な「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」や聖武天皇ゆかりの「山水夾纈屏風(さんすいきょうけちのびょうぶ)」など代表的名品のほか、下級役人が提出した盗難届などが集められた「正倉院古文書正集」などが展示される。