政府が2025年度までの導入を目指して全国自治体の住民基本台帳管理などの基幹業務システムを統一・標準化する「ガバメントクラウド」の施策を巡り、全国8地域が試算した結果、現行の各自治体のシステムと比べて「運用コスト3割以上削減」とする政府目標にいずれも届かず、最大7倍に運用費が膨れ上がることが分かった。政府は効率化などを狙いシステム標準化を法で義務付けているが、自治体施策の独自性が損なわれる懸念もある。専門家は「地方自治の基盤を揺るがす」とくぎを刺す。 【画像】増税批判を受け、メガネを手に苦笑する首相 ガバメントクラウドは岸田文雄政権が推進するデジタル行財政改革の柱。現状、各自治体でばらばらの住基台帳や児童手当などのデータ管理を政府主導で標準化し、クラウド上に構築する。コスト減やセキュリティー向上の効果をうたう。 ガバメントクラウドの費用対効果など、先行的に検証事業を実施中の神戸市など8地域