翌朝カチェリーナは学校に行った。足取りは重かったが、もう怠惰な生活には戻りたくないのである。教室に入ると、ソーネチカはすでに登校していた。他の女の子と楽しそうに話している。グルーシェンカの毒牙に掛かった様子など微塵も見せず、いつも通り品のある立ち振る舞いをしていた。グルーシェンカによれば、近いうちにソーネチカを調教してカチェリーナの寝室に届けてくれるそうだが、カチェリーナは複雑な絶望と欲望で頭を抱えるしかなかった。 やがて昼休みになると、ソーネチカがカチェリーナに声を掛けてきた。 「ちょっとお話ししたいことがあるのです。校舎の外の方、よろしいでしょうか」 「ああ、いいよ」 カチェリーナはやむを得ず立ちあがった。何かしら用件があるのだろうし、聞かないわけにもいかないのだろう。そして二人は裏庭に行った。裏庭と言っても、辛気くさいところではなく、狭苦しくもない。庭師が綺麗に整えた色鮮やかな花壇が