デッサンで立体的な表現をするには、「稜線(りょうせん)」の理解とその表現が必要です。稜線は立体を表すための基本的な要素で、稜線が適切に与えられたデッサンには明快な立体感が表れます。 稜線は、「平面という制約の中で立体を表現する」という難しい課題を解決する上でとても有用な要素なのです。 とは言っても、「稜線って何?」という人の方が多いと思います。ここでは稜線とは何かと、それがどう立体と関わってくるのかを説明します。 稜線とは 稜線は一般的には山岳用語として使われることの方が多い言葉ですが、デッサンでは面と面の境界線と考えます。それは1本の線で、直線の時もあれば曲線の時もあります。 直線の「稜線」が3本集まって空間を囲めば、1つの面が生じます。この面は3つの頂点が存在する三角形の平面になります(Fig.1)。また、円は曲線の「稜線」でできています。 Fig.1 面がいくつか集まり、それぞれの「