松原 一連の構造改革の中で「特区」というのが出てきましたよね。僕は最初は反対だったんです。発展途上国がやる輸出特区みたいなイメージがあって抵抗感があったんです。国ができなかった改革を自治体に手を挙げさせてやらせるということにも抵抗感がありました。 ただ、よく見ていると、今までとは決定的に違う発想の転換がありました。今までの日本の地方自治に対する国の関与の仕方というのは、一種の平等主義で、全く同じ条件でやらせる。そういう発想でした。構造改革特区は、手を挙げた所だけに特例を認めますよと。今までの一律主義から、自治体間競争や自治体間の差があっていいと発想を大転換させたんですね。 例えば、濁り酒を作りたいと手を挙げた自治体には観光客が集まって、やらなかった所はそれを指をくわえて見ている。そういう状況が発生してもいいんだと。新しいことをやっていく自治体が伸びていく。 竹中先生がおっしゃったように、日