(英エコノミスト誌 2010年11月13日号) 中国企業に買収されるというのは、一体どんな感じなのか? 今から数年前、国際的な石油会社の幹部2人が英国の人けのないオフィスで遅くまで仕事をしていた。その時、驚くほど美しい若い中国人女性が受付に現れた。「グッチで着飾った、とても魅力的な女性だった」と幹部の1人は言う。 その女性は、中国の巨大国営エネルギー企業の1社、中国石油化工集団公司(シノペック)からの手紙を携えていた。数十億ドルの買収を提案する内容だ。女性は国内のナンバープレートをつけた車に乗って闇夜の中に姿を消し、その後二度と姿を現さなかった、とこの幹部は少し残念そうにつけ加える。 会社はほどなく、別の中国企業に買収された。それ以来、西側企業の経営者たちは、トロントやケープタウンの会議で中国企業に買収話を持ちかけられたり、スカンジナビアでいきなり買収の申し出を受けたりしてきた。 欧州中の