音響監督の岩浪美和に、自身のキャリアの中でとくに印象深いアニメ作品について聞くインタビュー連載。第2回は、Netflixでの配信と劇場での公開を同時に行い、話題となった劇場アニメ『BLAME!』。日本アニメでは初となるドルビーアトモス対応作品となった本作は、その後の音響制作を変えたと語る。 ――『ガールズ&パンツァー 劇場版(以下、ガルパン劇場版)』のヒットにより、ドルビーアトモスで音響制作ができたのが、2本目に挙げてもらった劇場アニメ『BLAME!』です。 岩浪 『BLAME!』は当時(2017年)としてはかなり特殊な事例で、Netflixでの動画配信と同時に、劇場での上映も行った作品なんです。そのため、配信を担当するNetflix側もドルビーアトモスでの音作りを推奨していて、「ドルビーアトモスホーム」という最高の映像と音響で配信ができる体制になっていました。その一方、映画館での上映は2