農林水産省は9日、国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査に向けて、地元の長崎県諫早市で準備工事を始めようとした。だが、「農漁業や防災への悪影響がある」として開門に反対する住民ら350人ほどが現地で抗議し、工事担当者らは作業に入れないまま引き揚げた。 福岡高裁の確定判決による開門期限は12月20日だが、九州農政局によると、次回の工事期日は未定。一方、反対派は「10日以降も工事は絶対させない」との姿勢を崩していない。 9日は午後1時半から、開門で干拓農地に塩水が入るのを防ぐため、堤防の補修工事が予定されていた。これに対し、地元住民や長崎県選出の国会議員、県議、諫早市議らが「開門調査反対」などと記した横断幕やのぼりを掲げて立ちふさがった。九州農政局の職員らは「国は開門の義務を負っている」と理解を求めたが、折り合わなかった。 続きを読む関連リンク諫早「開門」、9日に準備工事着手へ 国が