未だ信じられないでいるが、LFOことマーク・ベルが先日亡くなってしまった。何らかの病のための手術治療後に合併症をわずらい、43歳という非常に短い人生に幕をおろしてしまった。UKテクノの歴史を語る上でLFOは欠くことのできないアーティストであった。強烈なブリブリ・ベースとビート、それと洗練されたシンセ音を身上とした彼の独特なサウンド。名門レーベル〈Warp〉の創世記を支え、才媛ビョークを筆頭とした数多くのミュージシャンやリスナーに愛された彼は何者だったのか。ここでは敬意を持って足跡をまとめて紹介したいと思う。 1990年の1stシングル“LFO”。自身の名前(当初はマークとジェズ・ヴァーレイの2人ユニットとしてスタート)を冠したこのリリース時は、シカゴやデトロイトで生まれた“テクノ”がヨーロッパに渡り華を開いた時期であった。当時20歳そこそこのまだ幼さも残るマークたちもそんなテクノの魅力に取