プロフィール 新清士 ジャーナリスト。立命館大学映像学部非常勤講師。1970年生まれ。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。著書に、『ゲーム産業の興亡』(アゴラブックス)。 アザー・ガットの「戦争と文明(上)」(中央公論社)の紹介を続けながら、狩猟採集時代の戦争が、現在のゲーム的な要素の元型を持って進められていたことの紹介を続ける。常態的な戦争が、一方で、一定のルールをもった儀礼的な側面も持っていたことを、今回は説明したい。現代のような厳密なルールが存在するわけではないのだが、そこには暗黙のルールが存在していて、大規模な戦争を回避する手段としても使われていた。 ■狩猟採集社会の研究はジャングルなどの未開社会が対象となる 狩猟採集社会に人間がどのように生きていたのかは、発見される考古学的な遺跡からはどうしても読みとれない部分がある。しかし、文明社会と切り離されたところには、そうした習慣が残っ