拝啓 ビル・ゲイツ様。 初めてお便りします。 あなたが「引退」する日が近付いてきました。この7月でマイクロソフトの経営の一線から退き、自身が設立した慈善財団の運営に注力すると聞いています。 今回、私がお便りすることを思い立ったのは、「ビル・ゲイツの引退」が何を意味するか考えてみたからです。 あなたはかつて自著「The Road Ahead(邦題「ビル・ゲイツ 未来を語る」)」でこう述べています。 この言葉が真実ならば、マイクロソフトはIT産業の主役の座を明け渡すことになります。そして予言は半ば的中しようとしているように思えます。現在のIT産業は大きな変化の真っ最中にあるからです。 あなたの引退自体で何かが大きく変わるわけではありません。マイクロソフトの発表によれば、これまでのフルタイムからパートタイムに変わるものの、あなたは7月以降もマイクロソフトの会長職にとどまり続けます。 業績も絶好調