フランス大統領選で、右翼・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏(48)の選挙戦に、決別したはずの父ジャンマリ・ルペン氏(88)の存在が影を落としている。ジャンマリ氏が発言するたび、FNに染みついた「極右」「人種差別主義者」のイメージがよみがえる。対立候補のエマニュエル・マクロン前経済相(39)はFNの排外主義的な主張に批判を強める。 党創設者のジャンマリ氏は2011年に党首の座をルペン氏に引き継いだ。ルペン氏は反欧州連合(EU)や移民規制などの方針は維持しつつ、人種差別的な発言を封じ込めて「ふつうの政党」路線にカジを切った。ジャンマリ氏は第2次大戦中のガス室によるユダヤ人虐殺を「歴史上のささいなこと」という発言を改めようとせず、15年に党から除名された。 ルペン氏は、除名後の父と距離を保ち、決選投票進出を決めた後も「政治的に完全に決別している」と話した。 一方の父は、娘が決選投票進出を決め