サイズからゲノムの複雑さまで、全てが規格外な「ミミウイルス」。発見以来、ウイルスの概念を覆し続けているこの巨大ウイルスで、今度は原核生物が持つCRISPR系に似た防御機構が見つかった。 ヴィロファージがミミウイルスに侵入する様子を描いたイラスト。 Credit: BSIP/UIG/Getty 光学顕微鏡で観察できるほど巨大なウイルスとして、最初に発見されたミミウイルス。その発見者である、エクス・マルセイユ大学(フランス)の微生物学者Didier RaoultおよびBernard La Scolaを中心とする研究チームは今回、ミミウイルスに、細菌やアーキアといった原核生物(核を持たない細胞からなる生物)で広く見られる適応免疫システム「CRISPR系」に似た防御機構が存在することを見いだし、Nature 2016年3月10日号249ページで報告した1。 ミミウイルスはアメーバを宿主とするウイル