日銀の量的緩和策が実体経済にあまり効いてくれないというのは,地方にいるとよくわかります。 小幡先生の『ハイブリッド・バブルー日本経済を追い込む国債暴落シナリオー』 では,ハイブリッドの一方に「テールリスクを無視して国債を買い続ける「限定合理的」な金融機関」があることが説明されています。その一つが地方(地域)銀行です。 私は,もし日本でまた金融危機が起きれば,地方経済は立ち直れなくなるのではと心配しています。岡山大学は優秀な人材を地域にも多く送り出しており,人ごとではありません。地方銀行と地方経済の視点から,なぜ金融緩和が効かないのか,そしてなぜ地方経済がリスクを抱えてしまったのかを考えます。 アベノミクスの主要な目的の一つは投資を増やすことです。地方では,そう聞くと公共投資を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし,実質金利を下げようとしていることからわかるように,実際には民間投資