理由なんてなんでもよかった。危険とか、ダメとか言われれば、それをしたくなるのが子供であった。今思えば、危険こそが一番の教育者であった。危険が僕等に教えてくれたことは大人になって本当に役に立った。ダメと言われて、それをしない子には、優等生になる素養はあっても、人生の枠を飛び越える度胸や器は得られないのかもしれない。町中に聳える立ち入り禁止の看板は、そこに僕等にとってはもっとも素晴らしい遊び場があることを教えてくれる目印でもあった。 (辻仁成『そこに君がいた』新潮文庫、2002) おはようございます。危険とか、ダメとか言われたときに、それをしたくなるのが子どもだとしたら、それをしたくならないのが大人ということになるでしょうか。言い方を変えると、 子ども心の有無。 辻仁成さんは『ミラクル』に《子供の頃はあったのに、大人になると無くなってしまうものがたくさんある。それらを幾つ無くしたかで、人はどれ

