太古、人類に宿った英知は職業分化や健康をもたらし、狩猟と休息を繰り返しその日暮らしに追われる獣にはない、文化的な余裕を生み出した。獲物を備蓄し富が生まれ、そうして得た死の危険からの距離は、嗜好という概念をまた生み出し、やがてそれは娯楽へと進化した。人々は、それまでのただ生き残るためにだけ費やされた時間を取り戻し、それぞれの人生を楽しむ術を身につけたのだ。 “ゲーム”は、昨今における娯楽の代表として挙げられるであろう。紀元前の歴史に現れた神々をかたどる古代のカード遊技から、現代の美麗な3D映像大迫力音響アクションに至るまで、ゲームという娯楽が我々の生活に深く根を下ろして久しい。 人が、生理学的な意味において“生きる”ためには、本来必要のない概念であるはずの“娯楽”と、そしてその代表例“ゲーム”。 ゲームをプレイしている人々に、それを楽しいと感じさせる仕組みとは一体どのようなものであろう。今回