欧米諸国や韓国では、国や企業レベルで新しい昆虫食市場を開拓する動きが出始めている。また、日本においてもマスメディアで昆虫食が紹介される機会が増えてきている。 その背景には、2013年に国連食糧農業機関(FAO)から発表された報告書「Edible insects - Future prospects for food and feed security(食用昆虫-食料及び飼料の安全保障に向けた展望)」がある。 この報告書(以下FAO報告書)は、アジアやアフリカを中心とする国々において昔から食べられている昆虫の価値を、現代の視点で捉え直す契機となったといえる。 なぜ昆虫食なのか FAO報告書によると、昆虫を食料として利用するメリットは大きく以下の3つに分けられる。 第1に、栄養価が高い点が挙げられる。200種を超える昆虫の栄養価を科学的に調べた結果、牛肉や豚肉と同等のタンパク質を含むほか、ビタ