「あのですね、高校からの帰りしな、自転車のチェーンがバキッて外れてしまったんですよ」と次男は言う。ほうほう、でもチェーンが外れた位だったら直せるでしょう?「なんか一つ金具もその時壊れてしまったらしくて、無理だったんですよ。で、仕方がないから自転車に乗らずにじょりじょりひいて歩いてたんです。歩道にはワタシの前におばあさんが歩いてて、しばらく前後で歩いていたのです」それで?「そしたらおばあさんがくるっと振り向いて、どうやらワタシがおばあさんに進路を阻まれたがために、仕方なく自転車から降りて歩いているのだと思ったらしくて、『まぁまぁ、気が付かんと悪かったねぇ』って謝るのですよ」あー、ナルホドね。「『違うんですよ、自転車が壊れてしまったので押して歩いているだけなのです』って言ったら、今度は『故障は自転車屋さんで直せないのか』みたいなことを言うのです。で、『お金を持っていないので直せないのです』と言