「年収の高低はどういう職に就いているか等よりもどこに住んでいるかで決まる」ということを説得的に論じた本で、とても面白い。例えばシリコンバレー周辺は日本よりべらぼうに平均年収が高いのだが、この本を読む前までは、稼ぎ頭であるIT業種の人達が平均年収をつり上げているから平均年収が高いのかと思っていた。しかし、実はそうではない。こうした地にいる人はどのような職業に就いていても給料が高い。しかも、単に物価が高いから給料が高いという単純な話ではなく、可処分所得も多くなる。この本を読むと、日本という給与がそもそも全般的に低い地で高給職の椅子を争うのが少し馬鹿らしくなる。そうした争いの物理的な場所を変えた方が、経済的に豊かになる。 リモートワークの浸透でこの本で論じられたような現象はなくなるかと思ったが、コロナの出口も少しずつ見え始めた今、各地で結局リモートワーク縮小の流れが起きており、まだこの本の内容は
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