「貴殿以上に人格の闇黒めいた人間をお目にかかったことがない」 というのは妻から私への最大の賛辞である。 くだけた表現を使用するならば「おまえ、めっちゃ性根わるいわ」ということである。であるがしかし仕方ないと思っていただきたい。なぜなら私は母子家庭という複雑な、いや逆に言えばとてもシンプルな家庭環境で育成されたため、一般的な心の素養がなされていないのである。父と母、両人からほくほくの愛というのを受けていないのである。 どのように性格が破綻しているのか。妻曰く、私の発言動の根っこには「人を小ばかにしたような心情が表れている」とのことである。 つまり「プライドが高く自分を高尚な人間だと思っている節があり、平身低頭しながらも裏では高い場所からものを言う」とのこと。それを聞いて私は唸ってしまった。うーん、蓋しザッツライト。 たしかにそうである。そんなかんじのときもある。しかしそれは自己防衛である。な