グレタさんが振りまく「終末論ムーブメント」――“破滅の未来”はなぜ人々を魅了するのか:“環境少女”が世界で受けた真相(1/4 ページ) 環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏の動向が報じられる度に、ネット上では、日本を含む世界中の人々が擁護派と否定派に分かれて喧喧囂囂(けんけんごうごう)となるのが日常風景となっています。擁護派は「地球温暖化の危機」を効果的に訴える宣伝塔としての存在感を評価し、否定派は現代の複雑なエネルギー問題を弁えない目立ちたがり屋の「生意気な小娘」としか見ていません。 しかし両者とも意外と目を通していないのが、家族自身によって書かれた共著本『グレタ たったひとりのストライキ』(羽根由訳、海と月社)です。同書はかなり普遍的な問題を示したテキストです。赤裸々なファミリーヒストリーとして興味深い内容であるだけにとどまらず、わたしたちが影響を免れない「終末論的な言説」との向き合い方