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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (4)

  • 国家を崩壊に向かわせる要因について、歴史を定量分析することで導き出す「歴史動力学」を扱った一冊──『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』 - 基本読書

    エリート過剰生産が国家を滅ぼす 作者:ピーター ターチン早川書房Amazonこの『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』は、もともとカブトムシやチョウといった生き物の個体群動態について研究して生計を立ててきた研究者が、複雑系科学のアプローチを人間社会の研究に応用していった結果をまとめた一冊になる。 この著者らが切り開いた分野は「クリオダイナミクス」(歴史動力学)と呼ばれ、人類史に繰り返し現れるパターンが存在することを発見し、どのような条件が揃うとあるパターン(たとえば、国家の崩壊など)が発生するのか──を歴史の定量分析を通して研究している。「エリート過剰生産が国家を滅ぼす」はたとえ話や主観的な主張ではなく、彼らの研究を通して見えてきた「国家が滅びに向かう」具体的な要因なのだ。 二〇一〇年、各分野の専門家が今後一〇年の展望を予想するという科学誌『ネイチャー』の特集で、私はつぎのように明言した。米国

    国家を崩壊に向かわせる要因について、歴史を定量分析することで導き出す「歴史動力学」を扱った一冊──『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』 - 基本読書
    coffeeglass
    coffeeglass 2024/10/17
    金と権力を持つ老人の既得権を取り崩せないことが文明を衰退させる重要な一因だと昔から考えていたが、これとまあ似たようなことか。
  • 物理学に美しさは必要か? という根本的な問題提起──『数学に魅せられて、科学を見失う――物理学と「美しさ」の罠』 - 基本読書

    数学に魅せられて、科学を見失う――物理学と「美しさ」の罠 作者:ザビーネ・ホッセンフェルダー発売日: 2021/04/09メディア: Kindle版物理学者は、自然法則の中に理論の自然さや美しさ、対称性、単純さ、統一性を求める。それは、自然法則はエレガントでシンプルなものであるべきなので、それを判断基準にすべきだ、という思想があるからだし、現在の素粒子物理学の世界は簡単な実験は終わってしまって難しい実験ばかりが残り、仮説を考えようにもデータがなく「自然さ」や「美しさ」といったとっかかりが必要だからという背景もある。 しかし、美しさや単純さは主観的な価値観であり、物理法則とは無関係だ。科学は芸術ではないし、人間の自然さの感覚に沿う理由も存在しない。ではなぜ科学では「自然さ」や「美しさ」が重視されているのだろうか。書『数学に魅せられて、科学を見失う』は、まさにそうした「美しさ」と「物理学」を

    物理学に美しさは必要か? という根本的な問題提起──『数学に魅せられて、科学を見失う――物理学と「美しさ」の罠』 - 基本読書
    coffeeglass
    coffeeglass 2021/04/18
    スーパーストリングだって初期の頃の素朴な描像からもはや究極のハードSFに過ぎない感あるしな。
  • ドーキンスによる無神論者のためのビギナーズ・ガイド──『さらば、神よ──科学こそが道を作る』 - 基本読書

    さらば、神よ 科学こそが道を作る 作者:リチャード ドーキンス発売日: 2020/07/16メディア: Kindle版この『さらば、神よ』はリチャード・ドーキンスによる無神論者になるためのビギナーズガイドである。原題は「Outgrowing God A Beginner's Guide」で「outgrowing」は成長する、卒業する程度の意味を持っているので、ニュアンス的には神からの卒業、といった感じか。尾崎豊か。ドーキンスはもともと『神は妄想である』の中でかなり攻撃的に宗教や神概念を攻撃していた、筋金入りの無神論者だ。 『神は妄想である』を読んだときは「言いたいこたわかるけどそんなに攻撃的に言ったって聞き入れられないでしょ」と思っていた。だが、書はさすがにかなりの年月も経って、ドーキンスもそんな姿勢じゃ伝わらないと反省したのか、「あのね、聖書とかに書いてあること、よく読めばわかると思う

    ドーキンスによる無神論者のためのビギナーズ・ガイド──『さらば、神よ──科学こそが道を作る』 - 基本読書
    coffeeglass
    coffeeglass 2020/07/22
    正確に言えばドーキンスは無神論者ではなく「極めて否定的な不可知論者」 快著「神は妄想である」に書いてある。宗教とはオカルトを前提とした観念体系なので、人類はそんなものといつか決別すべきである。
  • 最先端物理理論の提唱者が語る、時間の実態──『時間は存在しない』 - 基本読書

    時間は存在しない 作者: カルロ・ロヴェッリ,冨永星出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2019/08/29メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る時間は存在しない、といきなり言われても、いやそうは言ったってこうやって呼吸をしている間にもカチッカチッカチッと時計の針は動いているんだから──とつい否定したくなるが、これを言っているのは、一般相対性理論と量子力学を統合する、量子重力理論の専門家である、職のちゃんとした(念押し)理論物理学者なのである。 名をカルロ・ロヴェッリ。彼が提唱者の一人である「ループ量子重力理論」の解説をした『すごい物理学講義』は日でもよく売れているようだが、書はそのループ量子重力理論から必然的に導き出せる帰結から、「時間は存在しない」ということをわかりやすく語る、時間についての一冊である。マハーバーラタやブッタ、シェイクスピア、『オイディプ

    最先端物理理論の提唱者が語る、時間の実態──『時間は存在しない』 - 基本読書
    coffeeglass
    coffeeglass 2019/09/10
    同じくループ量子重力理論の提唱者の一人、リー スモーリンは時間のないモデルを検討した結果、やっぱり時間はあるって言ってる。
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