欧州本土から離れた小さな島で、分かりにくい文書に関する国民投票が実施されたという話は、退屈なニュースに聞こえる。しかし、10月2日にアイルランド国民が投票でリスボン条約批准に賛成したことは、欧州連合(EU)にとって画期的な出来事だった。 リスボン条約――チェコに関して混乱の可能性は残るものの、今や発効が確実になったように見える――は、今後何年もかかるだろうEU体制構築における最後の大きな一片になる可能性が高い。 また、この条約は世界最大の経済圏に深刻な疑問を投げかけるものでもある。 欧州は今、連邦制に向かって確たる進化を続けているのか? 欧州は経済のトレンドを作り出す存在になれるのか? 眠りから覚め、世界の中でより大きな役割を担うようになるのか? それとも世界情勢はワシントンと北京でほとんど決められ、この新「G2」が時折ブリュッセルの官僚に自分たちの判断を知らせる、ということになるの