2011/4/1519:29 援助の制約―「与える」振る舞いを考える 大野更紗 東日本大震災の発生から一ヵ月以上が経過したが、現在も余震による被災、原発問題は収束せず、被害の全貌の輪郭すら捉えられない。被災者の避難生活は長期化し、彼らが抱える問題も徐々に変容してきている。 ◇「配る」支援の限界点◇ 自然災害が発生したとき、原則として支援は「モノ」として届けられる場合が多い。「モノ」の支援は、支援する側が説明責任を果たしやすい。援助者がプロジェクトを作成し、援助者がやりやすい形で実行し、最終的に会計報告を作成する。「配る」というのは、援助者にとってもっとも楽な援助の形でもある。だからこそ、災害発生直後の緊急支援は、自らが持つ機動力を全開にして「配る」ことに集中し、まず初期段階の被害を最小限に食いとどめる。それが災害時の、通常の緊急人道援助の振る舞いである。 避難所を設置し、被災者を緊急的に保