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ブックマーク / synodos.livedoor.biz (33)

  • SYNODOS JOURNAL : 朝鮮学校「無償化」除外問題Q&A 金明秀

    2012/5/119:0 朝鮮学校「無償化」除外問題Q&A 金明秀 朝鮮学校に対する「高校無償化」除外は、事態が一歩も進まないまま恒久化の様相を呈しつつあります。問題が長期化するにともなって、権威あるメディアによって正確な情報が共有される機会が減り、逆に巷間では、誤情報が修正されずに流布することが多くなってきたように思います。 そこで、稿ではQ&A形式であらためて情報を整理したいと思います。朝鮮学校「無償化」除外問題を論じるにあたって参考にしていただければ幸いです。 せっかく情報を整理しようというのに言葉の使い方で混乱があってはなりませんので、はじめに4つ用語の整理をしておきます。(1)いわゆる「高校無償化」は、後述する通り2つの事業からなっているのですが、その両方を含む制度全体を「高校無償化」と呼ぶことにします。(2)朝鮮民主主義人民共和国のことは北朝鮮と表記します。(3)朝鮮高級学校

  • SYNODOS JOURNAL : 下村健一氏インタビュー【広報室審議官編】 震災、原発、首相交代 ――霞ヶ関広報の変化の芽を、過去形にしたくない 難波美帆

    2012/11/209:0 下村健一氏インタビュー【広報室審議官編】 震災、原発、首相交代 ――霞ヶ関広報の変化の芽を、過去形にしたくない 難波美帆 学生時代からの旧知、菅直人の要請を受け、「国民と政権の間のパイプの詰まりを取ろう」と飛び込んだ内閣広報室。攻めの広報をやるつもりが、菅さんまでが守りの広報。着任1ヶ月でマインド・リセットを余儀なくされた下村氏。半年も経たない2011年3月11日に史上稀に見る大地震が起き、前例のない緊急時広報を経験することに。津波災害、原発事故への対応、被災地支援、首相の隣で国の中枢の決断と情報を国民に伝えるという大役を引き受けることになった。菅首相退陣から野田総理の新エネルギー政策決定まで、戦後最大の国難の時期を広報審議官として過ごした下村さんがふりかえる、「できたこと・できなかったこと・これから伝えたいこと」。(難波美帆) ■守りの広報 ―― コツコツと“

  • SYNODOS JOURNAL : 「『五体不満足』から遠く離れて」乙武洋匡×大野更紗

    2012/11/289:0 「『五体不満足』から遠く離れて」乙武洋匡×大野更紗 乙武洋匡氏 14年前に『五体不満足』を出版され、様々な活動をされてきた乙武洋匡さんと、大学院生の頃に突然難病を発症し、2011年に『困ってるひと』を出版された大野更紗さん。二人はいま、障害や難病になにを思うのか。 ■「みんな違ってみんないい」 大野 乙武さんが『五体不満足』を出版されて、14年が経ちます。14年というと、当時生まれた子供が中学生に、あの頃『五体不満足』を読んでいた人の中には結婚してお子さんを持たれているという方もいるかと思います。 いままでに何万回、何億回と同じような質問を繰り返し訊ねられてきたかと思いますが、この14年間、どんなことを思って活動を続けてこられたのか、改めてお聞かせください。 乙武 そうですね。14年間あまり変わっていないような気がします。僕が『五体不満足』を書いたのは、金子みす

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    cohal 2012/11/28
  • SYNODOS JOURNAL : 韓国・性的マイノリティ番組の放送中止騒動について 韓東賢

    2012/10/119:0 韓国・性的マイノリティ番組の放送中止騒動について 韓東賢 ■韓国初の「トランスジェンダー・トークショー」 韓国で、あるバラエティ番組が放送初回にして一部視聴者らの抗議を受け、2回目以降の放送中止を余儀なくされ波紋を広げている。その番組とは、韓国の公共放送KBSのケーブル・衛星専門局KBS Nのバラエティ専門チャンネルKBS Joyが9月6日の深夜12時20分、韓国初の「トランスジェンダー・トークショー」として鳴り物入りでスタートさせた『XY彼女』だ。 「鳴り物入り」と書いたように、新番組『XY彼女』は放送前から注目を集めていた。同番組を含めバラエティ番組の司会で週5のレギュラーを抱え、歯切れのいいトークで人気、実力ともにトップクラスの大物タレントであるシン・ドンヨプ、2000年に同性愛者であることをカミングアウトしたタレントで俳優のホン・ソクチョンらを司会に据

  • SYNODOS JOURNAL : 原点から外れるくらいなら会社なんかつくらない ミシマ社代表、三島邦弘さんに聞く 

    2011/12/229:20 原点から外れるくらいなら会社なんかつくらない ミシマ社代表、三島邦弘さんに聞く  『屋は死なない』『出版社と書店はいかにして消えていくか』『出版大崩壊』『だれが「」を殺すのか』……少し大きな書店に行けば、こんなタイトルの「についての」をすぐに見つけることができる。また「電子書籍元年」などと騒がれた2010年には、「紙の」の滅亡が宿命であるかのように語られもした。 いずれにしても、こんな状況でも新しいこと、やりたいこと、状況そのものへの挑戦をしている人たちがいる。規模や利益の大小にかかわらず、「」でべていこうとしている人たちがいる。このシリーズでは、そんな人たちに話を聞きに行く。これからの新しい「」のあり方が見えてくるのかどうか、取材を通して探っていきたい。 取材・構成 柳瀬徹(シノドス編集部) ■民家すぎる社屋 ミシマ社の名前をはじめて目にした

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    cohal 2011/12/24
  • SYNODOS JOURNAL : やめてください福島県 ―― 医療現場と被災者ニーズを阻害する『お役所』の動き 小松秀樹

    2011/12/1414:49 やめてください福島県 ―― 医療現場と被災者ニーズを阻害する『お役所』の動き 小松秀樹 ■問題行動が目立つ福島県 福島県は、震災への対応で、被災した県民の利益を損ねる問題行動が目立ちました。双葉病院事件のように、県の職員の言動に問題があって社会に大きな迷惑をかけても、責任を明らかにして謝罪するなどの後始末をしようとしません。 南相馬市の緊急時避難準備区域に住民が戻った後、福島県は法的権限なしに、しかし書面を出すことなく、口頭で入院病床の再開を抑制しつづけました。当時(2011年5月) も現在(2011年11月)も、この地域の入院診療サービスは、住民数に比して大幅に不足しています。入院診療が抑制されたため、民間病院の資金が枯渇しました。苦戦がいまもつづいており、存続できるかどうか、ぎりぎりの状況です。 学問は、方法を含めて、何が正しいのか、学問の担い手が自分で

  • SYNODOS JOURNAL : 歴史の証言者たち ―― 日本の『制度』をささえた人びと〈1〉 尾上浩二 〜果てなき道筋の、水先案内人〜 大野更紗

    2011/12/120:15 歴史の証言者たち ―― 日の『制度』をささえた人びと〈1〉 尾上浩二 〜果てなき道筋の、水先案内人〜 大野更紗 2011年、10月12日。今日の日で、「尾上浩二」を5時間も「拘束」するなんて、もしかすると国益を損ねる暴挙だったかもしれない。 東京は神田、神保町の路地の一角で、介助タクシーから降りた。事前にインターネットで検索して、プリントアウトしてきた地図からすると、どうもこの古い平凡なオフィスビルが「そこ」らしい。ビルの入り口の狭さを目視して、「当に、ここなの?」と何度も周囲を確認するが、建物の看板に記載してある名称もあっている。 ビルの入り口にはスロープ代わりらしき補強材が一応設置されているのだが、わたしの馬力のない簡易型電動車いすでは何度も前輪が突っかかってしまい、段差を越えられない。なんとかなかに入ると、年代もののエレベーターの幅が狭くて、ハンド

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    cohal 2011/12/12
  • SYNODOS JOURNAL : 南相馬市の健康被害と放射能トラウマ 小松秀樹

    2011/12/514:0 南相馬市の健康被害と放射能トラウマ 小松秀樹 ■坪倉正治医師たちによる調査の意義 南相馬市は原発事故によって、警戒区域、屋内退避区域(のちの緊急時避難準備区域)、計画的避難区域、避難指示のない区域の4つに分断されました。東大医科研の坪倉正治医師は4月以後、南相馬、相馬にて診療を行い、さらにはホールボディカウンター(WBC)による内部被ばくの検査、健診、健康相談、除染にも携わっています。そして何より、地域の状況を科学的なかたちで世界に発信すべく、努力を重ねています。 10月12日、亀田総合病院で坪倉医師の講演を聴く機会がありました。坪倉医師は、環境中の放射線量と内部被ばくの測定結果から、いまのところ、被ばくによる健康障害はほんど起きないのではないかと予想しています。もちろん、今後も継続的調査が必要で、データによっては予想を修正することもあります。 慢性被ばくで、こ

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    cohal 2011/12/05
  • SYNODOS JOURNAL : 拝啓、「社会保障審議会」どの ――〈政策〉の決定過程は、可視化せよ! 敬具 大野更紗

    2011/11/2111:0 拝啓、「社会保障審議会」どの ――〈政策〉の決定過程は、可視化せよ! 敬具 大野更紗 現在、民主党政権が2011年6月30日に決定した「社会保障・税一体改革成案」にもとづいて、異様なハイペースで社会保障に関する政策が協議されている。社会保障に関する政策立案は、医療や介護、わたしたちの生活に密接にかかわる、とても重要な事だ。 しかし、そもそも「社会保障・税一体改革成案」が与党内で閣議報告されたこと自体、マスメディアで扱われる機会は少なかった。 ■「審議会」は踊る、されどついてゆけず 「審議会」にもさまざまな種類がある。たとえば、社会保障関連の政策立案の中身を実質的に決定している「社会保障審議会」という会議がそのひとつだ。これは厚生労働大臣の諮問機関であり、おもに「部会」と「分科会」で構成されている。社会保障審議会をはじめとして、とにかく毎日、異様なハイペースで「

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    cohal 2011/11/21
  • SYNODOS JOURNAL : 「ウォール街占拠」運動における「運動内運動」―― 性暴力、ホームレス非難、ホモフォビアをめぐって 小山エミ

    2011/11/1312:25 「ウォール街占拠」運動における「運動内運動」―― 性暴力、ホームレス非難、ホモフォビアをめぐって 小山エミ 世界経済活動の中心地であるニューヨーク市ウォール街において発生し、各地に広まった「占拠」運動がはじまって二ヶ月近くがたつ。すでに広く報道されているようにこの運動は、不景気や失業難のなか経済格差が拡大していることに抗議するためにおこった運動であり、大手金融機関への規制強化や「1%」と呼ばれるようなごく一部の富裕層への累進課税などを掲げつつ、各地で経済や政治の中心部に近い広場を占拠し泊まりこむなどしている。 ■コミュニティ自治への意志 わたしが「ウォール街占拠」運動の現場となっているズッコーティ公園を訪れたのは、十一月に入ってはじめの週だ。わたしはほかにも自分が住んでいるオレゴン州ポートランドと、もっとも激しく警察と衝突しているカリフォルニア州オークランド

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    cohal 2011/11/13
  • SYNODOS JOURNAL : 「存在しない」サバイバーたち - セックス・労働・暴力のボーダーで(2) 大野更紗

    2011/10/311:23 「存在しない」サバイバーたち - セックス・労働・暴力のボーダーで(2) 大野更紗 ■複雑化するDVの様相 婦人保護施設の法的根拠は「売春防止法」(以下、売防法)第36条だが、社会福祉関連の法令や制度に社会問題の現場の実情がまったく追いついていないなかで、担っている機能の幅はじつに広い。 2001年にDV防止法が施行されて以来、各都道府県に「配偶者暴力相談支援センター」またはそれに順する機能の設置が義務づけられたが、なかなか実質的な対策は進んでいない。 「配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす施設」として指定されているのは、2011年現在全国に203施設。だが、ほとんどが都道府県の広域福祉事務所における設置にとどまっており、市町村の窓口レベルでみると、市(区)での設置はわずか2.7%。町村にいたってはゼロなのである。各自治体における対応の格差は把握しようもな

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    cohal 2011/10/03
  • SYNODOS JOURNAL : 「存在しない」サバイバーたち ― セックス・労働・暴力のボーダーで(1) 大野更紗

    2011/8/228:31 「存在しない」サバイバーたち ― セックス・労働・暴力のボーダーで(1) 大野更紗 (*稿では、現在「差別用語」とされている表現を、当時の記録の記述に即して、そのまま使用しています) 8月、日傘越しでも皮膚に刺さるような紫外線がふりそそぐ猛暑の某日。インターフォンのボタンを押す緊張感に、思わず手が震えた。インビジブルな不可侵の地、「婦人保護施設」を前にして、躊躇を感じぬ人などいないだろう。 ■「戦後」の売春防止法と婦人保護施設 このM寮の施設長であるYさんは、ガチガチに恐縮し構えていたわたしが拍子抜けするような、満面の笑顔で玄関先へ迎え入れてくれた。 「よく、いらっしゃいました」 婦人保護施設の法的根拠は、「売春防止法」である(以下、「売防法」と省略)。1956年の成立後、ゆうに55年間の歳月が経過している。今回訪問したM寮は、その制定から2年後の1958年に

  • SYNODOS JOURNAL : 進む円高をどう考えるか 片岡剛士

    2011/8/220:31 進む円高をどう考えるか 片岡剛士 円高基調がつづいている。8月1日のニューヨーク市場では、円ドルレートが一時76円29銭をつけ、震災後に記録した戦後最高値である76円25銭に肉薄する動きをみせた。その後、東京外国為替市場の取引がはじまった8月2日の時点では77円台で取引されている。以下では進む円高をどう考えるかという点について、いくつかポイントを絞って論じてみることにしたい。 ■円高の原因は何か 円ドルレートは日円と米国ドルの通貨の比率である。よって円高・ドル安や円安・ドル高といった場合には、日側に起因する要因と米国側に起因する要因とを整理して考える必要がある。これらの点を念頭におくと、報道で指摘されている原因は米国側の要因に過度に偏っているのではないかと筆者は考える。以下この点についてみよう。 まず報道で指摘されている米国側の要因についてみよう。最近の円高

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    cohal 2011/08/02
  • SYNODOS JOURNAL : あやしい放射能対策 片瀬久美子

    2011/7/199:15 あやしい放射能対策 片瀬久美子 原発事故で放出された放射性物質による被害を避けるための対処法として、”放射能を分解除去できる”とか”放射能の毒出しができる”などと宣伝されている疑わしい方法が、雑誌などのメディアや放射線の害を警告する活動をしている一部の団体などから紹介されて広まりつつある。しかし、体内の放射性物質除去という効果に疑問が大きいだけでなく、かえって健康を害する恐れがあったり、効果が期待できないのに高額な商品であるなど、問題視すべきものが多い。その代表的ないくつかを紹介する。 ■マクロビオティック まずは、マクロビオティックである。これは独自の陰陽思想にもとづくトンデモ栄養学のひとつである。(マクロビオティックの詳しい解説は、ブログ「とらねこ日誌」を参照。http://d.hatena.ne.jp/doramao/ )  もともとはマクロビオティックに

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    cohal 2011/07/19
  • SYNODOS JOURNAL : 週刊誌の原発報道とどうつき合うか 佐野和美

    2011/5/249:18 週刊誌の原発報道とどうつき合うか 佐野和美 筆者は、科学と社会をつなぐ科学コミュニケーションに関わる仕事に従事している。専門家にしか伝わらない言葉で語られる内容を、一般市民も理解できるような言葉に翻訳するのが科学技術インタープリターの役割である。しかしそれは、容易ではない。情報をどうまとめ、どう発信するか?今回の福島第一原発の事故では、その難しさを改めて痛感させられることになった。 そのため、取材する記者たちは、その用語にいちいち詳細な説明を求めなくてはならなかった。正確に伝えようという意思からだったのかもしれないが、緊急事態で用語の解説をしている暇がないことを考えると、もう少し一般にわかりやすい用語に置き換える対処をするべきだった。 このように、当事者である東京電力(東電)や政府、原子力安全・保安院(保安院)が発表する歯切れの悪い不明瞭会見を補完するため、駅売

  • SYNODOS JOURNAL : 東京電力福島第一原発の何が問題だったのか 検証その2 橋本努

    2011/5/1615:57 東京電力福島第一原発の何が問題だったのか 検証その2 橋努 原発は、大事故が起きるまでは「99%、安全」である。しかし大事故が起きてしまえば「99%、危険」になってしまう。これが原発という巨大装置の実像ではないだろうか。 わたしたちは、3.11大震災による原発事故を受けて、原発がどれほど恐ろしい装置であるのかを思い知らされてきた。だが原発は、大震災が起きる前であっても、やはり「危険」であったのではないか。根拠のない「安全神話」のもとで、危険の警鐘が耳に入らなかっただけではないか。 ◇1978年に臨界事故◇ 最初に、もっとも衝撃的な記事から紹介したい。 東京電力の福島第一原発3号機は、1978年11月に、臨界事故を起こしていたという。その当時、定期検査中に制御棒5が脱落して、核分裂反応が連鎖的につづく臨界状態となった。そして約7時間半も、制御不能状態に陥って

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    cohal 2011/05/17
  • SYNODOS JOURNAL : 世界でもっとも危険な原発、アルメニア原発 廣瀬陽子

    2011/5/1312:25 世界でもっとも危険な原発、アルメニア原発 廣瀬陽子 福島第一原子力発電所での事故を受け、世界で、自国の原子力発電所の再チェックと対策強化を進めるとともに、原発計画を見直したり、凍結したりする動きが強まっている。特に、4月26日には、旧ソ連のチェルノブイリ(現在は、ウクライナに位置)原発事故から25周年を迎え、欧州、旧ソ連各地で追悼行事が行われたことも、原発廃止論をさらに勢いづかせた感がある。 しかし「やめたくてもやめられない」事情を抱える国も少なくない。 ◇やめられない「持たざる国」◇ 財政難の旧ソ連諸国は、原発をやめたくてもやめられない懐事情がある。原発は、やはり、コストが抑えられるだけでなく、国際的要因を受けることもなく(ウクライナロシアのガス紛争に象徴されるように、旧ソ連では政治問題にエネルギーカードが切られることが少なくない)、きわめて安定的な電力源

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    cohal 2011/05/13
  • SYNODOS JOURNAL : 原発事故の悪影響は放射線だけか 河野敏鑑

    2011/4/1813:52 原発事故の悪影響は放射線だけか 河野敏鑑 ◇社会的要因が健康状態に与える影響◇ 福島第一原子力発電所の事故が健康に与える影響が社会的な問題となっている。放射性物質が大気中に、そして海に放出され、外部被爆や品などを摂取した場合の内部被爆が心配されている。こうした問題に答えるのは医学者であって、経済学者やエコノミストが答えを出すわけにはいかない。しかしながら、放射性物質や放射線だけに注目して健康を論じるのは視野狭窄ではないか、という点を社会保障や医療経済など、比較的、医学・公衆衛生学に近い分野の研究者として指摘したい。 これらの要因も重要であることは間違いないが、健康状態を規定する要因として、最近着目されているのは社会的要因である。Kagan et al.(1974)では、遺伝的には同じ要因をもっている日人とサンフランシスコやハワイの日系人とを比較した上で、社

  • SYNODOS JOURNAL : 援助の制約―「与える」振る舞いを考える 大野更紗

    2011/4/1519:29 援助の制約―「与える」振る舞いを考える 大野更紗 東日大震災の発生から一ヵ月以上が経過したが、現在も余震による被災、原発問題は収束せず、被害の全貌の輪郭すら捉えられない。被災者の避難生活は長期化し、彼らが抱える問題も徐々に変容してきている。 ◇「配る」支援の限界点◇ 自然災害が発生したとき、原則として支援は「モノ」として届けられる場合が多い。「モノ」の支援は、支援する側が説明責任を果たしやすい。援助者がプロジェクトを作成し、援助者がやりやすい形で実行し、最終的に会計報告を作成する。「配る」というのは、援助者にとってもっとも楽な援助の形でもある。だからこそ、災害発生直後の緊急支援は、自らが持つ機動力を全開にして「配る」ことに集中し、まず初期段階の被害を最小限にいとどめる。それが災害時の、通常の緊急人道援助の振る舞いである。 避難所を設置し、被災者を緊急的に保

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    cohal 2011/04/15
  • SYNODOS JOURNAL : 3・11後の「外」からの眼差しの変化 ――「外国人」とどう向き合うか 大野更紗

    2011/4/18:52 3・11後の「外」からの眼差しの変化 ――「外国人」とどう向き合うか 大野更紗 ◇東日大震災に対する海外メディアの反応◇ 現在、東日大震災のさなかで、これまで日で生活してきた外国人が、国籍を問わず多数出国している。とくに、海外のマスメディアにおいて、原子力発電所の放射能問題に関する情報や日社会の混乱状況を、日のメディアと比較するとかなりセンセーショナルに報道している傾向があることの影響は大きい。 津波が東北沿岸部の町をのみこんでゆくシーンや、福島第一原発が爆発し煙をあげるシーンを繰り返し流しつづける。いかにも危機的でインパクトの強い映像が繰り返される。また、それらの映像やニュースのソースは、独自取材によるものは少ないようだ。 映像についてはテロップに日語が映っているものが多数で、主に日のメディアや大手通信社が流したものを使用していると思われる。原発の

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    cohal 2011/04/01